「わたしの家は、すべての民の祈りの家と呼ばれる。」
(イサヤ56・7)

 さいたま教区、栃木県にあるカトリック小山教会については、イザヤ書の短い言葉が、それをよく表現していると思います:「わたしの家は、すべての民の祈りの家と呼ばれる。」(イサヤ56・7) なぜなら、この「祈りと出会いの家」にやって来るカトリック信者は、日本人だけでなく、さまざまな国籍の人たちがいるからです。フィリピン人、ベトナム人、ペルー人、ブラジル人、スリランカ人など、その他の国の人たちもいます。

 小山教会は、とくに工場で夜勤がある人など、誰でも、いつでもそこに来て、主に祈りを捧げることができるように、二十四時間中二十四時間開かれています。主日のミサは、いつも「インターナショナルミサ」で、一つのミサの中で、英語、日本語、ベトナム語など、少なくとも、二カ国語、三カ国語が使われています。しかし、複数の言語でミサを行うことが、祈りや礼拝の精神を妨げたり、また典礼が長くなってしまうことがないように、細心を払ってミサを捧げています。ミサの朗読は、毎週五カ国語で準備され、教会の入り口に置かれます。みんなが、自分の国の言語で神のみ言葉に近づくことができるためです。また、聖書の朗読箇所だけでなく、祈祷文や短い霊的な読み物も、複数の言語で用意されます。また「お知らせ」も、ミサの最後に複数言語で行われ、棚に並べられています。さらに定期的に、フィリピン人のためのタガログ語ミサ、またベトナム語のミサと、「ラテンミサ」と呼ばれるスペイン語とポルトガル語のミサもあります。五月四日には、マリオ・山野内倫昭司教様が、ペルー人とブラジル人共同体を司牧訪問されましたが、まさにこの「ラテンミサ」に司教様をお迎えすることができました。さいたま教区は、五年間にわたり空位となっていましたが、昨年九月二十四日、山野内司教様が、さいたま教区の司教に叙階されました。司教様は日本出身ですが、ご家族と一緒に三十三年間もアルゼンチンで暮らしておられました。サレジオ会員で、日本語とスペイン語はもちろんのこと、他にも色々な言語を話されます。複数の言語でコミュニケーションがとれ、またそれだけでなく、ギターを片手に歌を歌うなど、多くのタレントに恵まれた司教様を教区にお迎えできたことは、本当に神の祝福だと思います。

 私は、小山教会の主任司祭として、心から願い、また祈っていることがあります。それは、人々が、とくに人生の暗闇に直面している時、ここに来て「祈りとみんなの安らぎの家」を見出すことができるだけでなく、さらには、国や文化の違う人々との「出会いと兄弟的交わりの家」を見出すことができるようになれば、という願いです。

2019年6月8日
ミラノ外国宣教会 宣教師
小山教会・上三川教会 主任司祭
ベロッティ・ジャンルーカ(ルカ神父)

カトリック小山教会、「ラテンミサ」(2019年5月4日)